ずっとエクセル2003を使用してきましたが、最近ようやく新しいエクセルを使用するようになりました。バージョンは2013です。
新しいバージョンでは、メニューの見栄えがガラリと変わり、主要な機能は一目でわかるようになりましたが、たいていの機能はどこにあるのか最初はさっぱりわかりません。
探しているうちに数時間費やすことさえたまにあります。また、一つ一つの動きがとてももっさりしていて、カーソル移動や一文字の入力に数秒かかることも!
こんな経験されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方々に、新しいエクセルに変えて困ったことや便利になったこと、作業効率がアップする小技、最近になってはじめて知ったエクセルの驚きの仕様をお伝えします。
エクセル2013にして困ったこと
ここでは、エクセル2003に慣れてしまったわたしが、エクセル2013に変えて困ったことを紹介します。
- 動きがもっさりするし頻繁にフリーズする エクセル2003のサクサク感は無くなりました。セル選択、入力など基本操作時であっても常にもっさりとしています。以下を行うと多少解消されます。
- 使用できる色数が増えてしまった エクセル2003は56色。エクセル2013は1600万色。どんな色でも使える反面、選ぶのに苦労します。エクセル2003で作成したファイルをエクセル2013で再現しようとすると、これがまた大変です。色パレットに最初から設定されている色が旧バージョンと異なるので、同じ色を使いたい時は、RGB値を入力して同じ色にしています。(ただしアドインなどで以前の色パレットを再現することができます)
- テキストボックス内で文字をコピペすると元の書式が無視されて必ず同じ書式でコピーされてしまう 旧バージョンでは、コピー元の書式がいかされましたが、新バージョンでは、コピー元の書式は無視されて決まった書式で貼り付けられてしまいます。その場合は [値で貼り付け]をするか、一旦メモ帳に貼り付けてから再度貼り付けています。
- テキストボックス内の文字の縦の均等割り付けができなくなりました エクセル2003では[縦位置]→[均等割り付け]で簡単にできましたが、エクセル2013は[上]、[中央]、[下]の位置に寄せることはできても[均等割り付け]ができなくなりました。[段落]の[インデントと行間隔]で[行間隔]をいちいち数値入力して調整しています。
- ショートカットがかなり変わりました 日々ショートカットを駆使して作業していますが、エクセル2003から2013になってだいぶ変わってしまいました。10年経ちますので当然のことなのでしょうか。
[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]→[表示]→[ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする]をON
よくフリーズする場合はこちらをお試しください。
[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]→[数式]→[マルチスレッド計算を行う]をOFF
[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]→[全般]→[マルチスレッド処理を有効にする]をOFF
※マルチスレッド=並行処理
エクセル2003
エクセル2013
わたしがよく使っていたが変わってしまったエクセル2013のショートカットをいくつか紹介します。
行選択
[Shift]+[Space]
列選択
[Ctrl]+[Space]
形式を選択して貼り付け
[Ctrl]+[Alt]+[V]
セル(行・列)の削除
[Ctrl]+[-]
セル(行・列)の挿入
[Ctrl]+[+]
オートフィルタ
[Ctrl]+[Shift]+[L]
オートフィルタのリスト表示
▽のプルダウンがあるセルを選択後に[Alt]+[↓]
オートフィルタのリスト内のチェックボックスにチェック
項目間は[↓][↑]で移動しチェックボックスのチェックは[スペース]
シート名の選択
[Alt]+[O]→[H]→[R]
エクセル2013を使ってみて便利になったと思うこと
エクセル2013の便利なこと、良くなったと思うことを紹介します。
- 扱えるデータ量が増えました エクセル2003→65,536行×256列
- グラフやテキストボックスの位置やサイズの微調整が簡単になりました [Alt]を押しながらグラフを移動させることで、グラフエリアのほか凡例やグラフ軸までセルに合わせて配置できるようになりました。また、複数オブジェクトの整列ができるようになりました。
- 条件付き書式設定で設定できる条件の数が3個から64個に増えました かなり複雑な条件設定が可能になりました。これはかなり便利です。
- オートフィルタが便利になりました オートフィルタで抽出できるデータが複数可能になりました。こちらもかなり便利になりました。今までは1種類しか抽出できませんでしたが、エクセル2013ではチェックボックス形式での選択になり、複数選択が可能になりました。さらに、セルの色での抽出や日付データの年や月での一括抽出が簡単にできるようになったことが驚きです。
- 新機能スパークラインが追加 データを範囲選択すると瞬時にミニグラフを作成してくれます。今のところ使用頻度は高くありません。そのうち使用してみたいと思います。
- 新機能フラッシュフィルが追加 データ加工をアシスタントする機能です。加工済のデータ1件から加工パターンを推測し、2件目以降の加工を瞬時に行ってくれます。便利なのでしょうけどあまり使いこなせていません。
エクセル2013→1,048,576列
これで大量のデータを扱う時でも、いちいちシートを分ける必要が無くなりました。
エクセル2003
エクセル2013
作業効率アップの小技
エクセルを使っていてちょっと困ったときに、知っていると作業効率がちょっとは上がる小技を紹介します。
- ショートカットの実行で[Space]を入力した時、空白文字が入力されてしまいショートカットが実行できない IMEの日本語入力をオフにすれば問題なく実行できるようになります。
- 数式をブック間でコピーした時ブック名がくっついてきてしまう 別のブックから数式をコピーしてくると、数式の頭に、='[aaaa.xlsx]などのブック名がくっついてきてしまいます。そんな場合は、ブック名だけを置換機能を使って一気に消しさりましょう。やり方は、数式を含むセルすべてを範囲選択して、[検索と置換]で[置換する文字列]ボックスに"[*]"と入力し[置換後の文字列]を空欄のままで置換してください。
- セル内の改行を一括で削除したい セルの中の文字の途中で、[alt]+[Enter]を押すと改行されます。改行は置換機能を使えば一括で削除することができます。[検索する文字列]ボックスに[Ctrl]+[J]を入力(ボックスには何も表示されません)。[置換後の文字列]ボックスは空欄のままで[置換]です。
- 横に並んだ数式をそのまま縦に並べる セル範囲を絶対参照などにしておかないと、[行列を入れ替える]方法で貼り付けた時に、セル範囲がずれてしまいます。そこでまず、置換機能を使って数式の[=]を別の文字([#]でも[★]でも)に置換します。それを[行列を入れ替える]で貼り付けて、最後に置換した文字を[=]に戻せばOKです。
アラートとか出して欲しい!エクセルの驚きの仕様
エクセルを使用して10年たちますが、最近になって知って驚いたエクセルの仕様を紹介します。作業時にエクセルからアラートとか出てくれたらいいのに、とさえ思います。
- オートフィルタで抽出した行にコピー&ペーストすると、隠れたほかの行にもコピーされてしまう場合がある! オートフィルタで行が抽出されている状態で、複数行に[形式を選択して貼り付け]をすると、目的の行だけではなく、抽出されていない隠れた行にも貼り付けられてしまいます。知らず知らずのうちに関係ないデータを変更してしまう危険があります。この場合は[形式を選択して貼り付け]ではなく[すべて]を貼り付けると、目的のセルにだけ貼り付けることができます。また、抽出されているセルだけを選択状態にしてから貼り付ける方法があります。フィルタがかかっている状態で範囲選択をしたまま[alt]+[;]を押すと、抽出されているセルだけが選択状態になります。
- オートフィルタのプルダウンリストに表示されるデータの数に限界がある!(エクセル2013は改善済) エクセル2003ではオートフィルタのリストに1000件までのユニークデータしか表示されません。プルダウンリストを見て、「ない」と思っていたデータが実は存在していたかもしれません。1000件を超える場合は検索窓に直接入力する方法をとってください。
- シートをコピーしたら1つのセルの文字数は255バイトまで!(エクセル2013は改善済) 256バイト以上入力されているセルが1つでもあると、シートをコピーする際、「コピーするシートには、255バイトを超える文字を含むセルがあります。シート全体をコピーすると、各セルの255バイト目までがコピーされます。すべてのデータをコピーするには、シート全体ではなくセルを新しいシートにコピーします。」とアラートが表示されます。
- 新しいファイルの拡張子[xlsx]には意味があった! これは特に困ったことではないですが、エクセル2007からファイルの拡張子が[xls]から[xlsx]に変わりました。拡張子の最後に[x]がつきますが、この[x]はそのファイルにマクロが含まれていないことを意味します。マクロが含まれている場合は[x]の替わりに[m]になり拡張子が[xlsm]になります。
そのままシートコピーをすると256バイト以降がコピーされません。うっかり大事な文章が尻切れにならないよう注意しましょう。
以上で終わりですが、少しは役に立てましたでしょうか。
新しいエクセルを使いはじめてイライラしながら作業している方、あきらめずにがんばりましょう。
今後また機会がありましたら、紹介していきたいと思います。
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