ダウングレード出来る時間は限られています。Appleは通常、新しいiOSがリリースされると、iTunesで正規ファームウェア確認が取れず、旧バージョンへの復元 (同一バージョン同士でも) が出来なくなります。Apple側としては、ユーザーのバージョンをコントロールできるので当然の処置なのでしょう。でも、ある特定のバージョンを継続したいと思うユーザーにとっては、「アップデートしたバージョンが不安定」だったり、「使えないアプリがある」など困った事態に陥ることもあります。
Appleでは通常、新規のバージョンがリリースされるとほぼ同日に旧バージョンは「署名」が発行されません。ただ、今回の場合は未だに旧バージョンにおいても正規ファームウェアとして確認されているようで、「署名」が発行されており、ダウングレードが可能となっています。いつまでダウングレード出来るかは、iOS 7.1.2 SHSHの発行をAppleがいつ停止するかにかかっています。時間の戦いとなっており、ダウングレードしたい場合には急いで行いましょう。ダウングレードを行う際は自己責任でお願いします。データを失っても責任は取りかねますので。
iTunesではファームウェアをアップロードする際に、以下の手順で「アップデートされたiPhoneソフトウェアを確認」します。
- Appleが許可しているバージョンの正規ファームウェアかどうか確認
- 送信されたECIDとファームウェア情報をキーにして署名(ECID SHSH) をしたファイル群「ECID blobs」をiTunesに送信
- 署名された「ECID blobs」を受け取って、iTunesはファームウェアとこの「ECID blobs」をiDeviceにアップロード
- iDeviceのブートROMでは、ECIDの署名があるかどうかを確認
- 復元作業を開始
上記の手順で「確認」「署名」処理を行います。ここで、1番の「Appleが許可しているバージョンの正規ファームウェアかどうか確認」出来れば、「iOS 8」から「iOS 7.1.2」にダウングレードすることができます。
前準備
「iOS 8」にアップデートしてしまったデバイス(テストではiPhone 5s」)のバックアップを取っておきます。このダウングレード方法では、iPhone自体は完全に初期化されてしまうようです。その為、「iOS 8」で取ったバックアップからの復元は出来ないようです。ただし、iCloudに取ってあるバックアップであれば復元できるようです。iTunesへのバックアップは、もしも失敗した場合に「iOS 8」で復元できるためと考えて下さい。
- iCloudにバックアップ [設定]→[iCloud]→[バックアップ]のページで「今すぐバックアップを作成」をタップします。
- iTunesで「暗号化」によるバックアップ iTunesへのバックアップは「iPhoneのバックアップを暗号化」機能を使って行いましょう。
iOS 8をiOS 7.1.2にダウングレードする方法
以下、iOS 8をiOS 7.1.2にダウングレードする方法です。当然、Appleはファームウエアをダウングレードすることを推奨しません。ダウングレードした際のいかなる結果に付いても責任を負うものではありません。自己責任で行って下さい。
- MacやWindowsなどのパソコンに「iOS 7.1.2 IPSW」をダウンロードします。iOSは機種によってダウンロードするものが異なるので、自分のデバイスにあった「iOS 7.1.2 IPSW」ダウンロードファイルをチョイスして下さい。 iPhoneのモデル(GSM モデル」「CDMA モデル」)によってダウンロードするファームウエアが異なります。背面カバーに記載されているモデル番号を確認してください。
- デバイスをMacなどのPCに接続し、iTunesを起動します。iTunesを起動したら、画面左のiOSデバイス選択で該当デバイスを選択し、Alt/Optionキー(Mac)、またはShiftキー(Windows)を押したまま「iPhoneを復元…」ボタンをクリックします。ちなみに、iOSデバイスの「iPhoneを探す」は事前に「オフ」にしておきます。
- ファームウェアを手動で選択する画面が表示されます。手順1でダウンロードしたファームウェアファイル(今回テストするiPhone 5sは、GSM モデルなので「iPhone6,1_7.1.2_11D257_Restore.ipsw」)を選択して、[開く]をクリックします。
- 「iPhone の内容は消去され、iOS 7.1.2 ソフトウェアで復元されます。復元は Apple により検証されます。」の確認画面が表示されます。[復元]をクリックします。
- 「iOS 7.1.2」ファームウェアへのダウングレード処理が開始されます。「このiPhoneのソフトウェアの復元の準備中です。」が表示され、次いで「このiPhoneのソフトウェアを復元中です。」ですのメッセージに移行してファームウエア(iOS 8からiOS 7.1.2へ)の復元が開始されます。
- 「iOS 7.1.2」ファームウェアへのダウングレード処理が終了すると、iPhone本体の再起動とともにiTunesにデバイスが表示され、「新しいiPhoneへようこそ」と表示されます。完全に初期化されたことがわかります。
【iPhone 5sの場合】
・A1533、A1457、A1530:iPhone 5s (GSM モデル)
・A1533、A1453:iPhone 5s (CDMA モデル)
・A1518、A1528、A1530:iPhone 5s (中国 GSM モデル)
▼ iOS 7.1.2 IPSファイル
・iPad Air (5th generation WiFi + Cellular)
・iPad Air (5th generation WiFi)
・iPad (4th generation CDMA)
・iPad (4th generation GSM)
・iPad (4th generation WiFi)
・iPad mini (CDMA)
・iPad mini (GSM)
・iPad mini (WiFi)
・iPad mini 2 (WiFi + Cellular)
・iPad mini 2 (WiFi)
・iPad 3 Wi-Fi (3rd generation)
・iPad 3 Wi-Fi + Cellular (model for ATT)
・iPad 3 Wi-Fi + Cellular (model for Verizon)
・iPad 2 Wi-Fi (Rev A)
・iPad 2 Wi-Fi
・iPad 2 Wi-Fi + 3G (GSM)
・iPad 2 Wi-Fi + 3G (CDMA)
・iPhone 5 (CDMA)
・iPhone 5 (GSM)
・iPhone 5c (CDMA)
・iPhone 5c (GSM)
・iPhone 5s (CDMA)
・iPhone 5s (GSM)
・iPhone 4s
・iPhone 4 (GSM Rev A)
・iPhone 4 (GSM)
・iPhone 4 (CDMA)
・iPod touch (5th generation)
ここで、バックアップしたデータを復元する作業を行います。「このバックアップから復元」を選び、隣にあるプルダウンメニューで、復元するデータを選びます。[続ける]ボタンでデータの復元を行なおうとすると、以下のような画面が表示され、「この iPhone のソフトウェアが古すぎるため、バックアップ“○○○○”はこの iPhone の復元には使用できません。」メッセージが表示されます。iOS 8で保存したバックアップは復元出来ないということです。「iOS 7.1.2」で保存したバックアップがあれば、復活できるかもしれませんが、残念ながらデータが無いので試せませんでした。
念のため、実際に試す場合には、くれぐれも自己責任で!
source:Redmond Pie
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