遠くの音を収音する技術には、ガンマイクやパラボラマイクなどがあります。これらの場合、音源から5m以上離れると、周りの雑音と区別して収音することが難しかったのですが、今回開発された「ズームアップマイク」は約20m離れた音を区別して収音することが可能です。
今回開発した「ズームアップマイク」は、約100本のマイクロホンと、凹型反射板から構成されています。音を反射させて遠くの音を収音可能とする凹型反射板の前に、約100本のマイクロホンを設置することで、そのマイクロホン間に生じる位相/振幅差を利用し、遠く離れた場所(約20m)の狙った音だけをクリアに収音することを可能とします。また、約100本のマイクロホンから、すべての音声を録音しておくことで、あとから任意の場所の音をズームアップして聞くことも可能です。
たとえば、プロ野球やサッカーなどの中継の際に、フィールドでの選手同士の会話がそのまま聞けてしまう訳です。望遠カメラと組み合わせれば、選手に映像も音声もズームアップし、より臨場感のあるスポーツ観戦や放送サービスを受けることが可能になります。
NTTでは、今後20m以上の距離にある音源に対する収音能力に対する検証作業を進めて、2年後を目安として、50m(サッカーコートの長辺の半分)先にある音源をクリアに収音できるように、技術の向上を目指す。2020年の東京オリンピックには、画像と音声ともども、より臨場感のあるテレビ観戦が実現しそうですね。
via: Engadget Japanese
source: NTT > NTT持株会社ニュースリリース
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