2014-02-13

Mozilla、収入安定化のためにFirefoxの「新しいタブ」に広告表示を検討

Firefoxの「新しいタブ」に広告を掲載 ? 2月11日、Mozilla(モジラ)は公式ブログで、「新しいタブ」ページに広告を表示することを検討していることを発表しました。広告主は「新しいタブ」ページの広告タイルを購入することができ、現在、「新しいタブ」ページには履歴をベースに四角いリンクページが表示されています。履歴を消去した状態だと、「Welcome to Firefox」とともに空白の破線の四角形が表示されます。公式ブログによると、このページに広告を掲載するとのことです。そして、広告コンテンツの表示はユーザに有益だとの見解です。



「新しいタブ」ページを有効に使っているユーザがどれだけいるかは定かではないですが、閲覧サイトへの通過点てしての認識のユーザがほとんどではないでしょうか。Mozillaは広告業界とはあまり密な関係にはありませんでした。ターゲット広告の表示を無効にするdo-not-track(The Do Not Track Field Guide)、トラッキング禁止機能を実装してターゲット広告の表示を抑えられるようにしています。また、サイトにはじめて訪れた際のクッキーを自動的にブロックする機能も実装されています。

Mozillaの収入源の90%はGoogleからのものです。Googleの独自ブラウザ「Chrome」の登場によってFirefoxのシェアが低下しており、今後のGoogleとの交渉では収入減は避けられないとのことです。そこで、新たな収入源を確保する必要に迫られたことが、今回の広告掲載を検討せざるを得ない主な理由と考えられます。

Firefoxはじりじりシェアを下げており2014年1月のシェアでは既に20%を切っています(Browser market share)。Firefoxをお気に入りのブラウザとして利用している方もまだ多く(わたしもその一人です)、また「ネットスケープ」の系譜として愛着を感じている人も多いでしょう。

Mozillaは、Webブラウザ「Mozilla Firefox」と電子メールクライアント「Mozilla Thunderbird」、「Firefox OS」などの製品の開発及び保守を行っている非営利団体です。非営利団体とはいえ、現状の収入の90%をGoogleに頼っているようないびつな経営は好ましくないことも明らかです。今回の広告掲載プロジェクトは、「Mozilla」が持続するためにも理にかなった判断だといえるでしょう。広告をブロックする機能などでできた広告業界との関係を、まずは修復する必要があるようです。

「新しいタブ」ページへの広告掲載がいつから行なわれるかは、もう少し先にならないと分かりません。その際は広告であることが分かるように表示するとのことです。多くのユーザにとって「新しいタブ」は通過点という認識だと思われるので、ブラウジングの邪魔にはならないように思われます。経営体質が改善され、より多くの開発プロジェクトを行なえるようになることを祈り、あたたかく見守っていきましょう。


Publisher Transformation with Users at the Center | Advancing Content
First-time Firefox users will soon see ads in their tabs


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